巻頭言
落紅の詩
難波 益之
1,2
1和合病院
2慈圭精神医学研究所
pp.682-683
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903072
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落紅不是無情物(落紅は是情無き物にあらず)
化作春泥更護花(化して春泥となり更に花を護る)
龔白珍の詩の一節を退官してゆく先輩や年老いた人々に捧げてきた。この私が,今はその詩を自らに言い聞かせる立場になった。もっとも私はまだ泥にはなっていないので,ここで私が現在している精神分裂病者の脳の形態学研究か,OPCAの黒質病変の意味と研究の展望を書こうと思った。しかし途中で考えが変わり,いささか場違いで突っ飛なようだが脳の発達面からみた教育について私見を述べさせてもらうことにした。もっとも言わんとするところのものは,その道の大家専門家には童蒙の戯言とうつろうが,そこをあえて述べるところが落紅の詩たる所以である。
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