Japanese
English
短報
季節性感情障害を父に持つ睡眠相後退症候群の兄妹例
Two Siblings of Delayed Sleep Phase Syndrome Whose Father Suffering from Seasonal Affective Disorder
明石 拓爾
1,2
,
藤原 豊
1,3
,
山口 耕司
1,4
,
黒田 重利
1
Takuji AKASHI
1,2
,
Yutaka FUJIWARA
1,3
,
Kohji YAMAGUCHI
1,4
,
Shigetoshi KURODA
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
2河田病院
3高岡病院
4福山友愛病院
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Medical School
2Kawada Hospital
3Takaoka Hospital
4Fukuyama Yuai Hospital
キーワード:
Delayed sleep phase syndrome
,
Seasonal affective disorder
,
Vitamine B 12
,
Phototherapy
Keyword:
Delayed sleep phase syndrome
,
Seasonal affective disorder
,
Vitamine B 12
,
Phototherapy
pp.89-92
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904258
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近年,睡眠障害の中に睡眠・覚醒リズム障害の存在が認識されるようになった。そのうち最も頻度が多く,怠業や登校拒否と誤って認識され,臨床的に問題になるのが,睡眠相後退症候群(delayed sleep phase syndromes;DSPS)である1,4)。睡眠・覚醒リズム障害の発症誘因としては,対人関係の問題や環境変化,身体疾患などが約半数にみられるが,誘因のないものが半数あるのも事実である。また,我が国では,両親や同胞に同様なリズム障害の遺伝負因を持つものが13.4%存在すると報告されている4)。これは,家庭内での生活習慣など共通の環境要因に起因するものか,遺伝的素因の重要性を示唆するものか,議論の分かれるところであり,詳細な検討が必要と思われる。今回,我々は環境要因の共通性に乏しく,父親が季節性感情障害と思われる睡眠相後退症候群の兄妹例を報告し,睡眠・覚醒リズム障害の発症誘因としての遺伝的素因に関して考察を加えた。
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