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特集 精神科領域におけるレセプター機能の研究の進歩
精神分裂病剖検脳のGTP結合蛋白質(Gi,Go)—計測学的所見との比較
Changes in Amount of GTP-binding Proteins (Gi, Go) in Schizophrenic Post-mortem Brains Correlated with Changes in Structure
岡田 文彦
1
,
Timothy J. Crow
2
,
Gareth W. Roberts
3
Fumihiko Okada
1
,
Timothy J. Crow
2
,
Gareth W. Roberts
3
1北海道大学保健管理センター
2Division of Psychiatry, Clinical Research Centre
3Department of Anatomy and Cell Biology, St. Mary's Hospital Medical School
1Health Administration Center, Hokkaido University
2Division of Psychiatry, Clinical Research Centre
3Department of Anatomy and Cell Biology, St. Mary's Hospital Medical School
pp.137-142
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902995
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■はじめに
精神分裂病のドーパミン仮説ではドーパミン神経伝達の亢進を予測している5,13,26,29)。しかし,この仮説を直接支持する所見に乏しかった5)。ドーパミンの含有量の多い脳部位では,ドーパミンD2受容体が増加15,25)(D1受容体は不変4))しているとの報告があるが,分裂病の病的過程によるのか,長期間の向精神薬療法による結果なのか,不明のままである17)。線条体にはドーパミン受容体とアデニレートシクラーゼとの間に介在する促進性(Gs)及び抑制性(Gi)のGTP結合蛋白質の存在が知られており30),膜を介する情報伝達系に重要な役割を担っていると考えられている。また,海馬では5-HT1A1,8,20)やGABAB受容体1)と共役する百日咳毒素感受性のGTP結合蛋白質の存在が報告されている。我々はGTP結合蛋白質を介する情報転換機構を検討することにより,精神分裂病の病態を分析する試みを行っている21,23,24)。この論文では一連のシリーズとして,剖検脳の解剖学的計測学的測定を行った同一のサンプルについて,各脳部位でGi/Goの変化を検討した結果を報告する。
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