Japanese
English
研究と報告
熱性けいれんコホートの追跡および無熱性けいれん移行例
A Follow-up Study of A Clinic-based FC Cohort
坪井 孝幸
1
,
萩原 康子
2
,
遠藤 俊一
3
,
飯田 紀彦
4
Takayuki Tsuboi
1
,
Yasuko Hagiwara
2
,
Shun'ichi Endo
3
,
Norihiko Iida
4
1東京都島しょ保健所
2東京国際大学
3神経科土田病院
4関西大学
1Tokyo Health Center for Izu-and Ogasawara Islands, Tokyo Metrop Bureau of Public Health
2Tokyo International University
3Neuropsychiatric Hospital Tsuchida
4Kansai University
キーワード:
Febrile convulsions
,
Follow-up study
,
Prediction
,
Prevention of nonfebrile seizure development
Keyword:
Febrile convulsions
,
Follow-up study
,
Prediction
,
Prevention of nonfebrile seizure development
pp.65-70
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902981
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【抄録】 熱性けいれんの予後に影響を及ぼす医学的,社会学的要因を病院に基礎をおく研究で調べた。
1)病院初診時5歳以下の熱性けいれん(FC)コホート528例を16年間前向きに追跡し,無熱性けいれん移行(FCC)39例(7.4%)が知られ,Kaplan-Meier法によりFCC累積移行率の補正値10%が得られた。2)FCC移行率は,(a)FCC移行の危険が大きいと判別(判別関数法による判別式の値y>0)されたものでは15%(31/208),小さいと判別(y<0)されたものでは2.5%(8/320)となった(オッズ比6.83)。(b)抗けいれん剤非服薬群におけるFCC移行率はy>0群では47%(22/47),y<0群では3%(6/229)となり(オッズ比32.7),正しい判別の確率89%が得られ,判別式の有用性が示された。(c)この移行率はy>0群では服薬と非服薬により,6%(9/161)と47%(22/47)(オッズ比14.9,寄与危険41%),y<0群ではそれぞれ2%(2/91)と3%(6/229)の結果が得られ,服薬によるFCC移行阻止の可能性は判別式y>0群においてのみ示された。3)FCコホートの追跡研究から,FCC移行の8危険要因がみつかった。すなわち,低い熱発(38.4℃以下),けいれんの持続時間20分以上,反復回数5回以上,初回から再発FCまでの間隔1カ月未満,一親等近親者のてんかん罹患,脳波検査による基礎律動異常,繰り返し脳波検査による棘波異常,および精神発達の遅れ,である。4)これら8要因の獲得スコアとFCC移行率および抗けいれん剤服薬との関連について検討を加えた。
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