Japanese
English
シンポジウム 「うつ」と睡眠
“うつ”と“痴呆”を呈する老年者の睡眠
Sleep in Elderly Patients with Depression and Dementia
大川 匡子
1
Masako Okawa
1
1秋田大学医学部精神科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Akita University School of Medicine
pp.1359-1366
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902968
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I.はじめに
老年者にみられるうつ状態には様々な症状がみられる。とりわけ,不安・焦燥,抑うつ感情,精神運動制止などの中核症状に睡眠障害を伴っていることがきわめて多い。また老年者にみられるうつ状態には痴呆を合併していることも多く,老年者の“うつ”と“痴呆”の鑑別が困難である場合が少なくない。このような老年者にみられる“うつ”と“痴呆”のいずれも加齢に伴う脳器質的障害を背景として生じる病態であり,それらは相互に近縁の病態であると考えられている4,15)。
また老年性痴呆の患者は,様々な認知機能の障害に加えて,夜間せん妄などのために夜間に徘徊するなどの異常行動を示すことが多く,その時には睡眠・覚醒リズムの障害を伴っていることがきわめて多い。
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