Japanese
English
研究と報告
境界型人格障害の内的メカニズムの検討—ボーダーラインスケールと臨床体験からの分析
Intrapsychic Mechanism on Borderline Personality Disorder
町沢 静夫
1
,
佐藤 寛之
1
Shizuo Machizawa
1
,
Hiroyuki Sato
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部
1Department of Adult Psychiatry National Center of Neurology and Psychiatry, National Institute of Mental Health
キーワード:
Borderline Personality Disorder
,
Splitting
,
Abondoned feeling
,
Borderline Scale
Keyword:
Borderline Personality Disorder
,
Splitting
,
Abondoned feeling
,
Borderline Scale
pp.1179-1185
発行日 1990年11月15日
Published Date 1990/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902941
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抄録 境界型人格障害43名についての臨床経験及びその内32名のボーダーライン・スケールの反応の分析から彼らの内的メカニズムを検討した。Kernbergの主張するsplittingは確かに多くみられたが,特異的ではなかつた。また,Mastersonの見捨てられ感は特異的に境界型人格障害に認められた。次に23歳以上と22歳以下に分けてボーダーライン・スケールの反応率をみると,見捨てられ感は高年齢層のほうに多くみられた。したがって見捨てられ感は二次的症状である可能性が示唆された。このスケールの反応から年齢別に判別分析を行うと低年齢層では衝動性と自己同一性の障害の項目で判別力が高かった。高年齢では不安やうつ気分,見捨てられ感の項目で判別力が高かった。このことからこれらの気分は衝動性が年齢に従って内向してゆく結果だと考えた。
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