巻頭言
精神保健法について—精神障害者の社会復帰施設,指定施設以外での収容禁止,行動制限,指定医をめぐって
菱川 泰夫
1
1秋田大学医学部精神科学講座
pp.1034-1035
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902918
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現行の精神保健法は,旧法の精神衛生法の改正手続きを経て,昭和63年7月に施行された。その法改正では,精神障害者の人権擁護のためとして,入院に関する諸規定が改められ,精神障害者の社会復帰促進のための施設についての規定が加えられた。しかし,その社会復帰促進のための規定はきわめて不十分であり,患者の人権を守るための入院の諸規定が新しく定められたものの,現実には,それらの諸規定が守られていなかったり,精神保健指定医(指定医)の役割が果されていないことがきわめて多い。
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