Japanese
English
研究と報告
治療経過中にせん妄状態を呈したrestless legs症候群の1例
A Case of Restless Legs Syndrome Accompanied by the Delirium State in the Course of Treatment
金 英道
1
,
倉知 正佳
1
Young-do Kim
1
,
Masayoshi Kurachi
1
1富山医科薬科大学付属病院神経科精神科
1Department of Neuropsychiatry, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
Restless legs syndrome
,
Delirium
,
Polygraphy
,
Benzodiazepine
,
Carbamazepine
Keyword:
Restless legs syndrome
,
Delirium
,
Polygraphy
,
Benzodiazepine
,
Carbamazepine
pp.775-780
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902879
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抄録 Restless legs症候群の治療中にベンゾジアゼピン系薬物の投与によりせん妄状態を呈した1例について報告した。症例は鉄欠乏を伴った高齢女性であり,restless legs症候群に有効であるとされるベンゾジアゼピン系薬剤のトリアゾラムやクロナゼパムの投与によりせん妄状態を来し,カルバマゼピンの投与によりRL症候群の症状の消失とせん妄状態の消失をみた。せん妄時のポリグラフィーの自動解析の結果では覚醒時の中心部脳波の基礎周波数が7Hzと低下しており,前頸骨筋の活発な筋活動がみられた。足のムズムズ感が消失し,せん妄も消失した回復時のポリグラフィーの自動解析の結果からは脳波の周波数が8.5Hzと上昇し,前頸骨筋の筋活動の減少を認めた。
本症例および文献よりRL症候群にはいくつかの下位群があると考えられ,これらのグループ間では効果のある薬剤が異なり,適切な薬剤が投与されない場合,せん妄状態を呈することがある危険性を指摘した。
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