Japanese
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私のカルテから
呼吸器症状が認められなかった精神疾患患者の肺結核
Pulmonary Tuberculosis without Respiratory Symptoms in Psychiatric Patients
長嶺 敬彦
1
,
村田 正人
1
,
小田 敏郎
2
Takahiko NAGAMINE
1
,
Masato MURATA
1
,
Toshiro ODA
2
1清和会吉南病院
2山口県立中央病院呼吸器科
1Seiwakai Kitunan Hospital
2Yamaguchi Prefectural Central Hospital
pp.692-693
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902667
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- Abstract 文献概要
1999年の結核緊急事態宣言以来,医療機関での肺結核に対する認識は広まりつつある。肺結核を疑う症状として,①2週間以上持続する咳嗽,②微熱,③胸痛,④全身倦怠感・体重減少,⑤血痰が挙げられる3)。しかしこれらの症状が全くないか,ごく軽微である場合でも,肺結核であることがある。精神疾患患者では長年の抗精神病薬の服用により咳嗽反射が低下している症例があり,呼吸器症状が認められないことがあるからである。
ところで精神病院ではひとたび肺結核患者が発症すると,集団感染に至ることが多い。集団感染を予防するためには,呼吸器症状が認められない肺結核に適切に対応することが必要である。
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