Japanese
English
短報
インスリン過量注射による自殺企図例—小児慢性疾患患者に対する心理的サポート
An IDDM Case of Attempted Suicide by Insulin Overdose
宮原 明美
1
,
佐野 信也
1
,
山本 泰輔
1
,
野村 総一郎
1
,
佐藤 賢吾
2
Akemi MIYAHARA
1
,
Shin-ya SANO
1
,
Taisuke YAMAMOTO
1
,
Soichiro NOMURA
1
,
Kengo SATOH
2
1防衛医科大学校精神科
2防衛医科大学校小児科
1Department of Psychiatry, National Defense Medical College
2Department of Pediatrics, National Defense Medical College
キーワード:
Liaison psychiatry
,
Insulin dependent diabetes mellitus
,
Suicidal insulin overdose
Keyword:
Liaison psychiatry
,
Insulin dependent diabetes mellitus
,
Suicidal insulin overdose
pp.431-433
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902627
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はじめに
インスリン依存型糖尿病(insulin dependent diabetes mellitus;IDDM)患者は,インスリン自己注射をはじめ,食事療法や運動療法を毎日継続していかねばならず,日常生活上も種々の制約を強いられる。小児がこれらの治療を受け入れていく際,さまざまな精神的不適応を来すことが考えられ4),時には自傷行動などの深刻な問題も生起する2)。欧米では以前からインスリン過量注射による自殺企図ケースは報告されているが,本邦では,我々の調べたかぎりShibutaniら6)の1例しか報告されていない。
小児糖尿病患者の心理的ケアにおけるこの重要な問題について,注意を喚起するとともに,文献的考察を加え報告する。
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