Japanese
English
特集 多様なアディクションとその対応
薬物依存—現状と新しい治療的アプローチ
Drug Dependence: Current State and New Therapeutic Approach in Japan
成瀬 暢也
1
Nobuya Naruse
1
1埼玉県立精神医療センター
1Saitama Psychiatric Medical Center, Saitama, Japan
キーワード:
Drug dependence
,
Current state
,
Therapeutic approach
,
Evidence-based therapy
,
SMARPP
Keyword:
Drug dependence
,
Current state
,
Therapeutic approach
,
Evidence-based therapy
,
SMARPP
pp.141-152
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205537
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はじめに
わが国の問題薬物は,これまで覚せい剤と有機溶剤が主であり,ともに精神病状態を引き起こすことから,精神科医療では,解毒・中毒性精神病の治療は行われてきた。しかし,その元にある依存症の治療は,ほとんど行われてこなかった。依存症の治療が重要であることは言うまでもない。
わが国では,薬物依存症は「病気」でなく「犯罪」として捉えられる傾向が現在も続いている。「ダメ。ゼッタイ。」に象徴される薬物乱用防止対策,中でも取り締りは世界一流である反面,依存症になった者への治療・回復支援は三流以下と言わざるを得ない。
このような状況で,最近,薬物依存症の治療を巡って,新たな変化が起きている。海外で有効性にエビデンスが認められている治療がわが国でも広がり始めているからである。この稿では,わが国の薬物依存の現状と新たな治療的アプローチについて述べる。
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