Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
神経発達症の二次障害—強度行動障害の状態を呈する場合
Comorbidity of Neurodevelopmental Disorders : Challenging Behavior
會田 千重
1
Chie Aita
1
1国立病院機構肥前精神医療センター
1National Hospital Organization Hizen psychiatric Medical Center, Saga, Japan
キーワード:
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
知的障害
,
能力障害
,
intellectual disability
,
強度行動障害
,
challenging behavior
Keyword:
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
知的障害
,
能力障害
,
intellectual disability
,
強度行動障害
,
challenging behavior
pp.1454-1460
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207424
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抄録
強度行動障害とは,自傷,他害,こだわり,もの壊し,睡眠の乱れ,異食,多動など本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が,著しく高い頻度で起こるため,特別に配慮された支援が必要になっている「状態」である。強度行動障害にはさまざまな状態像が含まれているが,強い自傷や他害,破壊などの激しい行動を示すのは重度・最重度の知的障害を伴う自閉スペクトラム症の人が多く,自閉スペクトラム症と強度行動障害は関連性が高いと言われている。強度行動障害は,その原因の多様性や生物学的要因を含めたハイリスク群の存在など,難治となる理由がいくつか考えられる。基本的には行動療法(応用行動分析),TEACCH®自閉症プログラムに基づく構造化,PECS®(絵カード交換式コミュニケーションシステム)などを用いたコミュニケーション支援,などの心理社会的介入を中心に,薬物療法は補助的に行うが,福祉や教育機関などとの連携により,予防,地域支援体制づくりを意識することが非常に重要である。
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