Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
トラウマ関連疾患
How to Explain Trauma-related Diseases and Treatments for Understanding and Conviction
村上 伸治
1
Shinji Murakami
1
1川崎医科大学精神科学教室
1Department of Psychiatry, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
トラウマ関連疾患
,
trauma-related illness
,
心理教育
,
psychological education
,
逆耐性
,
reverse tolerance
,
延焼
,
spreading fire
Keyword:
トラウマ関連疾患
,
trauma-related illness
,
心理教育
,
psychological education
,
逆耐性
,
reverse tolerance
,
延焼
,
spreading fire
pp.1665-1672
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206491
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抄録 パニック障害,うつ,摂食障害などのよくある精神疾患も,経過の中で芋づる式にトラウマが出てくる例があり,症状とトラウマは繋がっているとの説明が納得が得られやすい。適応障害でも傷つく度に過敏性が増していく逆耐性現象的な例がある。性的外傷体験などの被害者は自分が悪いと考えやすく,人生全体が自己否定的になりやすいので,自己否定自体がトラウマ症状であるとの説明が必要である。外傷体験を繰り返し述べる例では,支持的な傾聴を持続曝露療法的に活用し得る。トラウマは一時の外傷体験だったはずなのに,やがては患者の人生すべてを否定的にしてしまいやすい。これは火事における延焼にたとえられる。延焼を理解するだけでも延焼は下火になる。トラウマに気付いたら,心理教育によって延焼を抑え,希望に繋がる説明を行うことが求められる。
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