Japanese
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私のカルテから
市販の止瀉薬の過量内服を契機にせん妄を呈した1例
A Case of Delirium Induced by Overdosage of Commercially Available Antidiarrheal Drug
熊谷 亮
1
,
櫻井 貴子
2
,
梁 広石
2
,
饗庭 三代治
2
,
一宮 洋介
1
Ryo KUMAGAI
1
,
Takako SAKURAI
2
,
Kwang-Seok YANG
2
,
Miyoji AIBA
2
,
Yosuke ICHIMIYA
1
1順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
2順天堂東京江東高齢者医療センター総合診療科
1Department of Psychiatry, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Tokyo, Japan
2Department of Geriatric General Medicene, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center
キーワード:
Delirium
,
Anticholinergic
,
Scopolia extract
,
Dementia with Lewy bodies
Keyword:
Delirium
,
Anticholinergic
,
Scopolia extract
,
Dementia with Lewy bodies
pp.677-679
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205425
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はじめに
加齢はさまざまな疾患の危険因子となるが,精神科領域にもせん妄や認知症など加齢が危険因子となる疾患が存在する。超高齢社会が現実となった現在においては,これらの疾患は日常的に遭遇するものであり,その対応にあたる機会は今後も増加するものと思われる。特にせん妄は複数の因子が関連することが多いため13),複数の疾患を合併し多種の薬剤を内服する高齢者では,原因検索のためにも幅広い知識が必要となる。近年では急性期病院での高齢患者に対するリエゾン精神医学の重要性も示されており11),精神科医が身体疾患・薬剤の知識を身につけることは急務とも言える。
今回我々は市販の止瀉薬の過量内服からせん妄を呈した高齢患者を経験したため,ここに報告する。なお症例の記載に際しては,匿名性に配慮し若干の変更を加えている。
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