Japanese
English
研究と報告
外来精神病者の予後調査—コンピューター・フォローアップシステムよりの脱落例の検討
Follow-up Study in Outpatients with Psychosis: Analysis of prognosis of drop-out cases
内田 又功
1
,
津田 彰
2
,
古賀 五之
1
,
坂元 俊文
1
,
西川 正
1
Yasunori Uchida
1
,
Akira Tsuda
2
,
Itsuyuki Koga
1
,
Toshifumi Sakamoto
1
,
Tadashi Nishikawa
1
1医療法人社団清和会西川病院
2久留米大学医学部薬理学教室
1Seiwakai Nishikawa Hospital
2Department of Pharmacology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
Outpatients with psychosis
,
Follow-up study using computer system
,
Drop-out cases
Keyword:
Outpatients with psychosis
,
Follow-up study using computer system
,
Drop-out cases
pp.1081-1090
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204403
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抄録 清和会西川病院外来精神病者(精神分裂病者・躁うつ病者)のフォローアップシステムに1979年より1984年の5年間,コンピューター登録された症例(817名)の中で,追跡脱落症例となった224名について予後調査を行った。有効回答145名の回答を集計,分析した結果,1)躁うつ病者と比べて,分裂病者の多く(とくに破瓜型と分類不能型)は調査時点で症状を有しており,他病院で加療中であった。また分裂病者の大部分は単身で,就労していなかった。2)服薬なしでも症状がないと回答した寛解者の割合及び持続寛解日数は,分裂病者よりも躁うつ病者の方が有意に上回った。今回の結果より,コンピューターによってフォローアップ中の外来精神病者の予後を調べた前回の報告と同様に,脱落症例においても,分裂病者の社会的適応状態は躁うつ病者のそれと比べて劣っていること,病型によって予後が異なる傾向にあることなどが示された。しかしながら分裂病者であっても,3年以上完全寛解を続けている症例が7例(躁うつ病者は20例)あり,治癒例が少数ながらあることが分かった。
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