Japanese
English
研究と報告
頭頂—後頭葉症状群とくにGerstmann症状群について
On the Parieto-Occipital Syndrome, Especially Gerstmann Syndrome
上野 陽三
1
Yozo Ueno
1
1(前)日本大学医学部精神神経科教室
1Department of Neuro-Psychiatry, School of Medicine, Nihon University
キーワード:
Parieto-Occipital Syndrome
,
Gerstmann Syndrome
,
Long term course
,
Fingeragnosia
Keyword:
Parieto-Occipital Syndrome
,
Gerstmann Syndrome
,
Long term course
,
Fingeragnosia
pp.651-659
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204163
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 24歳右利男子。左頭頂より右側頭に貫通した機銃創による脳損傷を受け,9カ月後の検査で次の諸症状を認めた。即ち頭痛その他の自覚症状にGerstmann症状群として手指失認,左右障害,失書,失算があり,それに構成失行,失読,方向及び地誌的失見当,時計失認,軽度色彩失認,左同側性半盲症と後に左上下肢知覚障害も認められた。読字,書字障害は純粋失読の特徴を示した。PEG,EEG,CTの検査で,両側で右を主とする頭頂,後頭葉の損傷を示す所見が認められた。これら諸症状の37年9カ月にわたる経過を観察した。また参考例11例を参照し頭頂,後頭葉の損傷によって種々の症状組合せを呈し得ること,その中の一つとしてG症状群のあることを認めた。
文献を参照しG症状群の基本症状として,手指失認の重要性を考察した。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.