Japanese
English
研究と報告
分裂病として治療され前頭骨線維性骨形成異常が発見された1例
A Case of Fibrous Displasia of Frontal Bone Discovered in the course of Treatment of Schizophrenia
慈性 隆義
1
,
鈴木 康夫
1
,
植田 恵美子
1
,
大原 健士郎
1
Takayoshi Jishiyo
1
,
Yasuo Suzuki
1
,
Emiko Ueda
1
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経科学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Fibrous displasia
,
Schizophrenia
,
Frontal Iobe syndrome
Keyword:
Fibrous displasia
,
Schizophrenia
,
Frontal Iobe syndrome
pp.89-94
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203885
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抄録 右前頭骨の線維性骨形成異常の1例を報告した。症例は26歳女性で,約5年前から,幻聴,妄想,意欲減退,自閉傾向などの分裂病様の精神症状を呈し,最近になって健忘症状が加わったものである。本症例は分裂病として治療されていたが,頭痛を契機に頭部の精密検査をしたところ,頭蓋骨腫瘍が発見された。CTスキャンでは腫瘍が右前頭〜側頭葉の一部にかけてかなりの圧迫を加えていることがわかり,電気生理学的にも前頭葉機能の低下が認められた。前頭葉腫瘍による精神症状としては,特有の人格変化などに加え,幻覚・妄想をはじめ多彩な精神症状を呈することが報告されており,本症例の精神症状も前頭葉障害によるものではないかと疑われ,文献的に若干の考察を行なった。
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