Japanese
English
研究と報告
精神症状を呈したオウム病の1例
Psittacosis with Psychitatric Symptom
加藤 健
1
,
徐 慶一郎
2
,
前原 勝矢
1
Takeshi Kato
1
,
Keiichiro Jo
2
,
Katsuya Maehara
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
2デンカ生研(株)生物理化学研究所
1Department of Neuro-psychitary, Juntendo Univerity School of Medicine
2Denka Institute of Biolocal Science
キーワード:
Chlamydia psittaci
,
Farnilial infection
,
Psychiatric symptom
Keyword:
Chlamydia psittaci
,
Farnilial infection
,
Psychiatric symptom
pp.303-307
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203735
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抄録 患者は33歳主婦,セキセイインコ購入後,家族内感染がみられ,頭痛,発熱,乾性の咳等の感冒様症状と嘔吐と下痢をもって発症。約1週間の後,意識の変動に伴い,精神運動興奮,妄想幻覚状態を示した。胸部X線写真にhomogenousな陰影,血清抗体価の異常高値(1024×)を認めオウム病と診断され,後にセキセイインコよりクラジアの分離にも成功した。テトラサイクリンは著効を示し,経過は良好で全経過は21日間。精神症状は症状精神病のそれと考えられたが,オウム病による疾患特異性の可能性も残された。従来オウム病は稀な疾患と考えられていたが,近年増加の傾向にあり,公衆衛生の問題になりつつある。特に本症例は身体症状に加え激しい精神症状を示し,初期には内因性精神病に近似している。このことは内科ばかりでなく精神科領域においても今後接触のあることを意味しており重要な症例と考えた。
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