Japanese
English
短報
精神分裂病と“正常圧”水頭症が合併した15歳女性例
A Case of 15-year-old Girl of "Normal" Pressure Hydrocephalus with Schizophrenia
野本 文幸
1
,
山岡 正規
1
,
町山 幸輝
1
Fumiyuki Nomoto
1
,
Masaki Yamaoka
1
,
Yukiteru Machiyama
1
1群馬大学医学部附属病院精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Gunma University Hospital
pp.219-221
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203724
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
精神分裂病と脳萎縮との関連は,近年,Johnstoneら4),Weinbergerら10,11),Takahashiら9)をはじめとして相次いで報告され,改めて注目を集めている。しかし,これらの報告での脳室拡大は脳室・脳比が0.2以下であり,水頭症と診断されるほどの拡大はReveleyら7)の中脳水道狭窄に分裂病の合併した3例のみである。
交通性水頭症の中でも特異な“正常圧”水頭症(以下,NPHと略す)は1965年にAdamsとHakimら1)が報告して以来治療可能な疾患として知られ,また,精神症状が主体の症例がある点からも関心がもたれている。本症の精神症状はうつ状態が多く5,6,8),未だ分裂病を伴う例は報告されていない。
今回著者らは,臨床症状は分裂病(緊張病)を示し,RI脳槽造影等の諸検査でNPHと診断された15歳女性例を経験した。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.