Japanese
English
短報
精神分裂病者の聴性脳幹反応(ABR)
Auditory Brainstem Responses (ABR) of Schizophrenic Patients
有泉 豊明
1
,
佐藤 譲二
1
,
守屋 爽一
1
,
伊藤 洋
1
,
大西 守
1
Toyoaki Ariizumi
1
,
Joji Sato
1
,
Soichi Moriya
1
,
Hiroshi Ito
1
,
Mamoru Onishi
1
1東京慈恵会医科大学精神神経科教室
1Department of Neurology and Psychiatry, The Jikei University School of Medicine
pp.97-99
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203707
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I.はじめに
聴性脳幹反応(auditory brainstem response,ABR)は1970年Jewett2)により聴覚誘発電位の最短潜時の反応として初めて報告された。精神分裂病者の誘発電位に関する研究は今日まで多数行なわれてきたが,このABRを用いた分裂病者の研究はPfefferbaum3)らの報告のみである。
彼らは入院後30日以内の急性増悪を伴う,亜慢性および慢性状態の分裂病者を対象として研究を行った。しかし,彼らはABRのV波の頂点潜時や振幅に関して,分裂病者と正常者との間に何らの差異をも認め得なかったと報告している。
今回,著者らは急性増悪を伴わない慢性状態の分裂病者を対象として新たに分裂病者のABRに再検討を加えたので報告したい。
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