増刊号 Common Disease 200の治療戦略
神経・筋疾患
側頭動脈炎
廣瀬 源二郎
1
1金沢医科大学神経内科
pp.253-255
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
疾患概念と病態
一般に高齢者,特に60歳以上の患者にみられ,軽度の発熱,全身倦怠感,食欲不振,体重減少などの全身症状に加え,頭痛,貧血,赤沈亢進とともに,側頭動脈およびその周囲の頭皮に発赤,圧痛,自発痛を認める症候群をいう.最近では巨細胞動脈炎と呼ばれることが多い.ステロイド治療の遅れが治療不可能な眼動脈分枝閉塞による視力消失をきたすため,内科的救急治療を要する重要疾患として把握する必要がある.その病態の本質は中等大以上の動脈の巨細胞を伴う炎症性変化であり,その臨床症状は局所性と全身性の2つに分けられる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.