Japanese
English
研究と報告
青少年の関係念慮及び類似症状について—自我境界と年齢
Referential Ideas and Related Symptoms in Adolescence: Ego boundary and age
阿部 和彦
1
,
増井 武士
1
Kazuhiko Abe
1
,
Takeshi Masui
1
1産業医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
Age trends
,
Referential ideas
,
Ego boundary adolescence
Keyword:
Age trends
,
Referential ideas
,
Ego boundary adolescence
pp.721-724
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203285
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抄録 自我境界が小児の成長にともないどのように確立されてゆくかを調査するために,小学校5年生から大学4年生までの男女合計2,500名について,関係念慮などがどの程度に認められるかを無記名のアンケートにより調査した。
「自分の視線,におい,顔つきや姿で,近くにいる人が迷惑そうなそぶりをする」,「自分の頭の中で考えたことが,しゃべらなくてもすぐ人に知られる」のような関係念慮やその類似症状,合計5項目のそれぞれでは,11〜16歳の期間で5%またはそれ以上に認められ,その後の年齢で急激な減少が認められた。またこれらの症状のいずれかをもっている人々の割合は,11〜16歳では22〜25%を保ち,「この後の年齢で同様に急激な減少が認められた。
したがって,上記の有症率の推移から考えると,自我境界が21〜23歳の状態に近くなるのは17歳以後であると推定される。
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