特集 睡眠研究—最近の進歩
巻頭言
特集にあたって—睡眠研究と精神医学
大熊 輝雄
1
1東北大学医学部精神医学教室
pp.464-465
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203092
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1979年7月東京で第3回国際睡眠学会が開催され,海外諸国からの約150人を含む約500人の睡眠研究者が参会して,現在における睡眠研究の最先端の諸問題について活発な発表と討論が行なわれた。唾眠に関する専門の国際学会が欧米以外の地域,とくに日本で行なわれたことは,睡眠研究が独立した学際的な研究分野としての地歩を確立したことを意味するとともに,わが国における睡眠研究の水準が海外でも高く評価されていることをあらわしているといえよう。
東京での国際睡眠学会では,269題の一般演題のほかに,「仏教経典における夢と睡眠」と題する特別講演と,それぞれ4つのシンポジウム,ワークショップが行なわれた。シンポジウムの主題は,「細胞レベルでの睡眠の機序」,「生物リズムとしてのヒトの睡眠」,「睡眠ポリグラムの自動分析—その方法と応用」,「睡眠・覚醒リズムの発現機序と同調因子」,ワークショップの主題は,「睡眠薬:評価法,新しい方法論,使用法,乱用」,「睡眠障害研究最近の進歩」,「睡眠の神経内分必学最近の進歩」,「睡眠研究の現状と将来の方向」であり,これらは,最近における睡眠研究の中心課題をほぼ網羅したものといってよいであろう。
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