Japanese
English
研究と報告
特発性両側性対称性大脳基底核石灰化症の1例
A Case of Idiopathic Symmetrical Calcification of the Cerebral Basal Ganglia
松村 晶子
1
,
村山 英一
1
,
堀田 直子
1
,
津嘉山 毅
2
Shyoko Matsumura
1
,
Eiichi Murayama
1
,
Naoko Hotta
1
,
Tsuyoshi Tsukayama
2
1国立熊本病院神経科
2国立熊本病院精神科
1Division of Neurology, Kumamoto National Hospital
2Division of Psychiatry, Kumamoto National Hospital
pp.307-310
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202911
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Ⅰ.まえがき
大脳基底核に石灰沈着が起こることは,19世紀のなかばにすでに知られていた1)。しかし,大脳基底核石灰化症が,生前に診断がつくようになったのは,X線が発見されて40年後,1935年Fritzsche2)が頭蓋単純写で脳基底核部に相当する左右対称性石灰沈着陰影を認める同胞3例を報告して,Kasaninら3)がそのうちの1例を剖検で確認してからである。本邦での本症の報告は1962年以降で,現在までに10例を越す報告4〜13)がある。
われわれは,けいれん発作と痴呆を主徴とし,血清電解質には異常がなく,副甲状腺機能低下症の症状を伴わない,特発性と思われる脳基底核石灰化症の1例を経験したので報告する。
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