Japanese
English
研究と報告
視覚発作と仮性周期性片側性発作波を示した進行麻痺の1例—Lissauer型と思われる例
A Case of General Paresis with Some Visual Seizures and Pseudoperiodic Lateralized Paroxysmal Discharges in EEG. (Lissauer's Type)
大山 繁
1
,
森山 茂
1
,
南 竜一
1
,
服部 英世
1
Shigeru Oyama
1
,
Shigeru Moriyama
1
,
Ryuichi Minami
1
,
Eisei Hattori
1
1熊本大学医学部神経精神科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Kumamoto University School of Medicine
pp.1213-1221
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202846
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
ペニシリンをはじめとする諸種抗生物質の発達による早期梅毒の治療や,衛生知識の普及などで,近年定型的進行麻痺をみる機会は少なくなりつつある15,30)。その反面,非定型な病像を呈するものが増えており,非定型的病像を呈した進行麻痺の報告もみられる26)。一方,進行麻痺では治療中や治療後に幻覚妄想を呈したり病像変遷のあることもよく知られている15,30)。
われわれは,髄液所見からみてすでに炎症機転は停止していると思われる進行麻痺患者で,経過を追っていくうちに,多彩な視覚発作と脳波上仮性周期性片側性発作波Pseudoperiodic Lateralized Paroxysmal Discharges13),以下PLPDsと略記)を認めた1例を経験した。また本例は,臨床症状,検査所見から進行麻痺のなかではまれなLissauer型と思われた。本例の臨床経過を述べるとともに視覚発作,脳波所見,治療済みの進行麻痺の症状悪化要因などについて,若干の考察を行ないたい。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.