Japanese
English
研究と報告
うつ病の経過後巫者となった1症例
A Case of Depression, Who Became a Shaman after the Depressive Phase
木戸 幸聖
1
,
永島 正紀
1
,
有高 謙一
1
Kosei Kido
1
,
Masaki Nagashima
1
,
Kenichi Aritaka
1
1日本大学医学部精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Nihon Univ. School of Medicine
pp.619-626
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202775
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4カ年にわたり遷延したうつ病相の経過後に神秘体験の出現から巫術を身につけるに至った中年女性の1症例について報告した。
患者は,魔を払う「オクジ」を授かることを信仰の深さのしるしとみなす某宗教の信者であり,超自然的存在と人との係わりあいを信じる特殊な神秘的宗教観が,病像,症状の起伏,治癒機転に反映した。また,神秘体験の出現と巫者への発展の背景には,うつ病体験を独特の宗教観で意味づけようとする態度と巫者への傾斜に親和性をもつ特異な性格傾向および家系的素地が認められた。
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