Japanese
English
短報
Amantadine投与により幻視などを呈したParkinson症候群の1例
Report of a Case with Visual Hallucinatlon due to Administration of Amantadine
柳下 道子
1
,
鳥居 方策
1
,
平口 真理
1
Michiko Yagishita
1
,
Hosaku Torii
1
,
Mari Hiraguchi
1
1金沢医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kanazawa Medical University
pp.71-73
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202710
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I.はじめに
各種のParkinson治療剤(以下「抗パ剤」と略称)には副作用が少なくなく,その中には幻覚,錯乱などの精神症状も挙げられている1〜5)。われわれにとって興味深いのは抗パ剤の副作用としての幻覚であるが,L-Dopaの場合におけるCelesiaとBarr1)および雨宮と亀山2)の報告を除けば,幻覚が意識障害を背景として,つまりせん妄の一部として出現するのか,あるいは意識障害なしに,つまり抗パ剤の催幻覚作用の結果として出現するのか明らかでない。
最近われわれは,塩酸amantadine(以下amantadine)の服用により,意識障害の兆候を全く示すことなしに,幻視などを呈したParkinson症候群の1例を経験したので,簡単に報告する。
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