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研究と報告
広島県における森永砒素ミルク中毒者の精神的特性について—特に知能検査・クレペリン検査・CMIの調査結果から
Mental Characteristics of the Morinaga Powdered Milk Poisoning Incident in Hiroshima Prefecture: Considering of the results of intelligence test, Kraepelin Test and CMI
更井 啓介
1
,
青盛 恵子
1
,
武田 佐恵子
2
Keisuke Sarai
1
,
Keiko Aomori
1
,
Saeko Takeda
2
1広島大学医学部神経精神医学教室
2広島県立広島病院精神科神経科
1Dept. of Neurology and Psychiatry, Hiroshima University School of Medicine
2Dept. of Neurology and Psychiatry, Hiroshima Prefectural Hiroshima Hospital
pp.247-253
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202591
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I.はじめに
広島大学医学部では広島県衛生部環境衛生課の委託を受けて昭和48年1月から,森永砒素ミルク中毒者(正確には飲用者とすべきかもしれないが,その大多数が既往に中毒症状を呈しているので中毒者とし,以後簡単に中毒者と略して用いる)の疫学的,臨床医学的検索を行なってきた。
神経精神医学教室では精神神経学的,臨床心理学的検査を分担し,そのうち中毒者の脳波所見に関しては,すでに第2回日本脳波・筋電図学会で中毒群に脳波異常所見および疑わしい所見を有する者の割合が多かったことを報告した1,2)。
今回は臨床心理学的側面を中心として,中毒者の精神発達遅滞の程度および精神機能の偏りの一部を知り得たので,脳波所見の結果との関連をも合わせてここに報告する。
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