Japanese
English
研究と報告
アルコール嗜癖者にみられたペラグラ精神病について
Two Autopsied Cases of Alcoholics, from view point of Pellagra Psychosis
鈴木 愷宏
1
,
高畑 直彦
1
,
里見 龍太
1
,
鈴木 隆
2
Hidehiro Suzuki
1
,
Naohiko Takahata
1
,
Ryuta Satomi
1
,
Takashi Suzuki
2
1北海道大学医学部精神医学教室
2国立札幌病院精神神経科
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Hokkaido Univ. School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiatry, National Sapporo Hospital
pp.845-849
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202357
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I.はじめに
最近われわれは,2名のアルコール嗜癖者の神経病理学的検索を行う機会をもった。1例は,皮膚症状,消化器症状,精神症状のいわゆるペラグラの三徴を備えていた。他の1例は,皮膚症状を欠き,神経衰弱様ないし抑うつ症状が約6カ月間つづいた後,急激に意識障害が現れ死亡した。この症例は剖検の結果,ペラグラ精神病が疑われた。
純粋な低栄養状態が稀となった今日,アルコール嗜癖者にペラグラ,およびペラグラ精神病と考えられる疾患がみられたのは興味深いことと考え,これら2例の臨床像と神経病理所見について報告する。
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