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会場はフランダースの古都プルッゲ
睡眠精神生理学会APSS:the Association forthe Psychophysiological Study of Sleepの第1回国際学会が1971年6月19日より23日の間,ベルギーのブルッゲ市(BruggeまたはBruges)において開催された。今回は国際学会としては第1回目の会合であるが,実はこの学会の第11回目の年次総会にあたる。1961年米国において,睡眠を研究する多数の臨床家を中心に設立され,睡眠の精神生理学を共通のテーマとして,各分野からの研究交流を目的として開催されてきた。最近3年間の開催地は1968年デンバー,1969年ボストン,1970年サンタフェであったが,今年はヨーロッパ諸国における睡眠研究者との直接的な討論をもつ場として地をベルギーに移すこととなった。この10年来,米国では睡眠の臨床研究の分野で,逆説睡眠と夢の問題などについて著しい進歩がみられるが,一方ヨーロッパにおいても,かの有名なリヨンのM. Jouvetの脳内アミンと睡眠に関する基礎的研究1)をはじめとして,フライブルグのJungやエジンバラのOswaldらの研究も,そのアイデアにおいて米国研究者を先導していることは広くしられている。
今年は,地元ベルギーのPetre-Quadensと,米国UCLAのChaseがCongress Cochairmanとなり,Program CommitteeにはClemente,Kales,McGintyの3人が選ばれて運営された。この学会での公用語はもちろん英語だし,学会の運営もアメリカ的能率主義で通されるので,米国からの多数の出席者にとっては国内学会と大差なかったことであろう。それに経済的な面でも,ニューヨークからブリュッセルまで,学会のチャーター便を利用すれば空路往復僅か175ドルしかかからない。これはニューヨーク,ロサンジェルス間の国内航空運賃片道120ドルと比べても,大した出費ではない。睡眠覚醒の体内リズムの乱れを除けば,まったく国内の学会出席と異なることのない気楽さであろう。私はこの期間中,たまたま,北欧オスロで研究中であったので,幸いにもこの学会に出席し,研究発表を行なう機会に恵まれた。
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