Japanese
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研究と報告
甘えと攻撃—第2報 攻撃者の対象関係
On the Aggressive Behaviour and the Amae (Doi): The 2nd Report: The Object Relationships of Aggressives
福島 章
1
Sho Fukushima
1
1東京医科歯科大学総合法医学研究施設犯罪心理学部門
1Department of Criminal Psychology and Forensic Psychiatry, General Institute of Forensic Sciences, Tokyo Medical and Dental University
pp.693-700
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201775
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1)攻撃的な1処遇困難受刑者の精神療法過程を報告して若干の考察を加えた。
この若年受刑者においても,攻撃性と強い甘え欲求が緊密に結びついていることが明らかにされた。治療によって彼が攻撃性や盗癖を統禦できるように変化した契機は,自己の未熟な甘え欲求を自覚し,洞察することであったと考えられた。
2)他者に対する対象関係のあり方によって,攻撃者を5つのタイプに分け,若干の考察を試みた。それは,α)対象欠如者,β)不全者,γ)あまえ=攻撃者,δ)エディプス型攻撃者,ε)自我同一性危機攻撃者,の5型である。
3)各型の生育史的対象関係の特徴および攻撃における攻撃者-被害者関係の特徴を素描し,精神療法の可能性に言及した。
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