Japanese
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特集 向精神薬をめぐる問題点
抗てんかん剤の副作用とその背景—Diphenylhydantoinに関する最近の知見を中心に
Some Aspects of Biochemical Basis for the Side Effects of Antiepileptic Drugs
小林 健一
1
Ken'ichi Kobayashi
1
1東京都立松沢病院
1Matsuzawa Hospital
pp.519-524
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201755
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I.はじめに
てんかんの薬物療法の原則は,患者のもつ発作型に有効な薬剤を,長期間にわたり規則正しく服用することであるが,服用期間が数年から十数年,時に一生涯にわたるため,副作用の発現には細心の注意を払わねばならない。また現在までに開発,使用されている抗てんかん剤自体が,多かれ少なかれ何らかの副作用を持っていると同時に,抗てんかん剤を服用する患者の側の色々な身体的要因が,抗てんかん剤の代謝に影響を及ぼし,副作用の発現をもたらす点も考慮されねばならない。
1962年〜1963年を対象として全国145施設からのアンケートを集めた和田ら41)の調査によると,わが国における抗てんかん剤の副作用の発現頻度は,調査した総数29,798人の患者のうち,歯肉増生67.6%,失調40.0%,発疹40.0%,傾眠38.6%,めまい20.7%,胃腸障害15.9%,多毛15.2%,以下,血液変化,精神障害,肝障害,発熱,頭痛,睡眠障害の順となっている。
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