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資料
沖縄・先島地区の精神医療の現状
The Current Situation of Mental Health Service in Sakishima of the Ryukyu Islands
蜂矢 英彦
1
,
岡庭 武
2
Hidehiko Hachiya
1
,
Takeshi Okaniwa
2
1東京都立松沢病院
2国立武蔵療養所
1Matsuzawa Hosp.
2Musashi National Mental Sanatorium
pp.153-159
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201444
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I.はじめに
沖縄の精神衛生事情については,1964年に日本政府の専門医派遣が始められてから,岡庭1)2),平安ら3),鈴木4),中川5),寺島6),吉村7)らの報告があり,その窮状や問題点が,しだいに明らかにされている。しかし,沖縄のおかれた政治的・地理的特殊性や,歴史的背景をもつた県民性と,精神医療とのかかわりあいについては,なお十分に論じられたとはいえない。また,沖縄というシマチャビ(離島苦)のうえに,さらに僻地の苦悩をも背負つている先島地区の精神医療の貧困については,私宅監置状況などの短かい紹介があるだけで,みるべき報告はない。
われわれは,1967年8月〜12月(岡庭),同年12月〜1968年3月(蜂矢)とひきつづいて宮古病院に派遣され,先島地区の精神医療に関与する機会を得た。先島の精神衛生状況を展望し,医療体系を組みたてるためには,今後もなお十分な資料を整える必要があろうが,とりあえずわれわれの実践のあとを報告し,先島地区精神医療の今後の課題を中心に検討を加えたい。
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