Japanese
English
研究と報告
抗てんかん剤Trinurideによる無顆粒細胞症の1剖検例
An Autopy Case of Agranulocytosis due to Antiepileptica "Trinuride"
須賀井 正謙
1
,
高梨 利一郎
1
,
石黒 健夫
2
Masayoshi Sugai
1
,
Riichiro Takahashi
1
,
Takeo Ishiguro
2
1東京監察医務院
2東京医科歯科大学精神医学教室
1Tokyo Medical Examiner Office
2Dept. of Neuropsychiat., Tokyo Medical and Dental University
pp.851-855
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201400
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I.はじめに
医療に使用される薬物のうちには造血障害を招来するものがあり,その1つに無顆粒細胞症がある。無顆粒細胞症は1922年Schultz1)によって初めて記載された疾患で,その後本症は種々の薬物によつて起こることが報告されており,本邦における本症については,大久保2)の統計がある。最近抗てんかん剤としてPhenetrideが比較的副作用の少ない薬物として普及されてきたが,本剤にも再生不良性貧血を起こして死亡した2例が浜田ら3)によつて報告されている。著者らもTrinuride(Phenetrideを主剤とする)の連続服用による無顆粒細胞症で急死した1例を剖検する機会を得たので報告する。
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