Japanese
English
研究と報告
Hunter-Hurler症状群(Gargoylism)の1例
A Clinico-Pathological Study on a Case of Hunter-Hurler Syndrom (Gargoylism)
小河原 竜太郎
1
,
杉田 力
1
,
室伏 君士
1
Ryutaro Ogawara
1
,
Tsutomu Sugita
1
,
Kunshi Murofushi
1
1順天堂大学医学部神経科
1Dept. of Neuro-Psychiat., School of Med., Juntendo Univ.
pp.127-137
発行日 1968年2月15日
Published Date 1968/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201295
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Ⅰ.まえがき
骨格系発育障害により,特異な体型や顔貌を示す疾患は,古くから知られていた。19世紀の後半にいたり,骨系統疾患の立場から活発な研究が行なわれchondro dystrophia foetalisが一疾患単位として確立され(Parrot 1878;Kauchmann1),1892),さらに近縁疾患の一群が検索された(chondroosteodystrophy-Breisford)。
Hunter-Hurler症状群も,このような動向のなかで分離されてきたものである。その骨格系の特徴は,Hunter2)(1917)により,肝脾腫,臍ヘルニアなどとともに記載され,Hurler3)(1919)が角膜混濁,知能障害を追加し,他の類似疾患と異なる奇形であるとした。さらにPfaundler4)(1920)が臨床的立場から,本症の"特異性"を強調するにいたり,本症を遺伝生物学的観点から一疾患としてとらえようとする研究が行なわれた。近年にいたり,遺伝,生化学,組織化学などのいちじるしい進歩により,本症は,小児期に発生する遺伝性代謝異常疾患の範疇に含まれるものとされている。しかしなお,その本態は十分に解明されず,不明な点を残し,病名も統一されていない。
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