特集 地域精神医学—その理論と実践
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
討論
pp.799-800,804,837
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201074
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中川四郎(精研) 本年2月から3月にわたり沖縄を訪れ,平安先生のご案内で平安座島を拝見させていただきました。いまの報告にありましたように,精神障害者が島のなかでよく適応している。しかも,島の住民がそれをよく受けいれている。これがわずか那覇から1〜2時間のところで海上トラックで行ける。そういう近くの島でありながら,なにかそういう特殊な雰囲気ができていて,精神障害者の楽園というような感じがした。これははつきりいつて,精神障害者の地域社会での受けいれかた,ありかたというものに,非常に示唆を与えられた。これにはいろいろな条件が関連すると思われるが,一つにはさきほど報告があつたように,若い人が那覇のほうへ出てしまつて,年寄り,子どもが残つているという条件が,精神障害者を受けいれやすくしているのかもしれない。また精神障害者に適当な仕事がある,たとえばサトウキビなどのいろいろな加工などの仕事があることも関係があると思う。これはある意味で,われわれが非常に参考にしていいことだと思う。
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