Japanese
English
研究と報告
不眠に対するdiazepamの臨床効果
Clinical Effect of Diazepam to Insomnia
島崎 敏樹
1
,
小林 健一
1
,
小見山 実
1
T. Shimazaki
1
,
K. Kobayashi
1
,
M. Komiyama
1
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat, Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.373-379
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200842
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I.まえがき
Chlorpromazineを主体とするphenothiazine系誘導体の出現以来,多数の向精神薬が開発され,精神疾患治療における薬物療法はますます強力なものとなりつつあるが,数年前Roche研究所によつて開発された新しい型の鎮静剤chlordiazepoxideは不安,緊張を初め情動障害を中心としてきわめて広い適応範囲をもち,従来のいわゆるminor tranquilizerにとつてかわつて,もつとも強力なtranquilizerの一つとして広く用いられ評価も十分定まつた。
さらに最近1960年,chlordiazepoxideと同じくbenzodiazepine族に属する新しい向精神薬diazeparn(7-chloro-1,3-dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepine-2-one)がF. Hoffmann-La Roche研究所のSternbachおよびReederによつて合成された。Randall6)らの研究によると,本剤は薬力学的にはchlordiazepoxideとほぼ同様のスペクトラムを有しているが,動物実験ならびに臨床試験の結果によると,より強力な作用をもち,chlordiazepoxideに比べて鎮静および筋弛緩作用は約5倍,抗けいれん作用は10倍強力であり,しかも毒性はほぼ同じであるという。
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