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資料
ソ連の精神病医療組織(その1)
Organization of Psychiatric Help in USSR
今泉 恭二郎
1
K. Imaizumi
1
1徳島大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat, Tokusima Univ. School of Med.
pp.465-472
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200717
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I.はじめに
ここ数年来,ソ連の医学がわが国にもかなり紹介されている。しかしその多くは,Pavlovの学説を発展させようとするソ連の医学の根本的な思想に関するものであり,しかもそれらは,一部のかぎられた範囲の人びとにしか知られない場所で紹介されるにすぎないといううらみがあつた。もちろんこれらの紹介の意義はきわめて大きく,紹介の場所(たとえばソビエト医学——現在は日ソ医学——)を育てもりたててきた人びとに対しては心から敬意を表するものであるが,私は前まえから,ソ連における医学思想が多くの人びとに知られ,学ばれ,検討され,あるいはとりいれられることも大切だけれども,その現実的な実態が,より広い範囲の人びとに知られることもこれに劣らず大切なことだと考えていた。そういう意味で,ソ連における精神病医療組織について紹介することにした。
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