Japanese
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資料
イムについて—最近の調査による知見
On Imu in the Ainu Race.: Results of the Recent Investigation.
諏訪 望
1
,
森田 昭之助
1
,
山下 格
1
,
黒田 知篤
1
,
石金 昌晴
1
Suwa, N
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Hokkaido University, School of Medicine
pp.397-403
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200565
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Ⅰ.はじめに
アイヌのイムについては,すでに1938年に内村ら7)によつて,比較民族精神医学(vergleichende Rassenpsychiatrie)の立場から,広汎な調査にもとづく詳細な報告が行なわれ,さらに1956年,Kraepelin生誕100年祭にあたりMünchenにおいてその概要が発表せられ8),しかもKretschmer, E. 2)からは,彼の所説を裏づけるものとして,その賛同をえた。このように,この問題については一応結論が出されているわけであるが,その後20年以上を経たこんにち,イムの実態がどのように変化したかを知ることは,アイヌ社会の文化的変遷と相まつて,その意義は少なくないものと考えられる。
そこでわれわれは,アイヌ部落として現在なお比較的その原形を保有している北海道平取村二風谷部落を対象として調査を行なつたので,その概要を報告し,二,三の考察をこころみたい。
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