Japanese
English
研究と報告
進行麻痺の荒廃状態に対するγ-アミノ酪酸の臨床効果
Clinical Effect of γ-Aminobutiric Acid on Detariorated General Paralysis
吉村 洋吉
1
,
伊藤 耕三
1
,
渡辺 寛一
2
Y. Yoshimura
1
,
K. Ito
1
,
H. Watanabe
2
1北海道大学医学部精神医学教室
2北海道緑ヶ丘病院
1Dept. of Neuropsychiatry, Hokkaido Univ., School of Med.
2Hokkaido Midorigaoka Hosp
pp.565-570
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200468
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Ⅰ.緒論
最近γ-アミノ酪酸(以後GABAと略す)に関して,生理学的1)2)6)11)12)15)17)ならびに臨床的な研究が広く行なわれてきており,臨床的な研究では柴田8),倉田4),清水8),近藤3)9)らにより精神薄弱への応用,谷10)らの精薄非行少年への応用などがあり,自発性の上昇,情動面の改善などかなりの効果を認められている。また一方において山口16)らの睡眼剤中毒の昏睡,村上5)らの脳血管障害による意識障害,肝性昏脈への応用,佐野7)らの外傷後のコルサコフ症候群およびゲルストマン症候群への応用,高木13)14)らのインシュリン衝撃療法への応用など広くこころみられているが,われわれは進行麻痺の荒廃状態にある患者7例に本療法をこころみたので,ここに報告する。
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