研究と報告
新しい抗抑うつ剤Amitriptyline(Tryptanol)の臨床経験
中久 喜雅文
1
,
町山 幸輝
1
,
阿部 完市
1
,
石川 清
1
1東京大学医学部精神医学教室
pp.709-712
発行日 1961年8月15日
Published Date 1961/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200365
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新しい抗抑うつ剤amitriptylineをうつ状態を主とした33例,躁状態4例,神経症3例に使用し,その効果を検討した。
本剤は定型的な内因性うつ病,反応性うつ病に対してかなり効果的である。また4例の躁病にも有効であつた。
副作用としては口渇,ふるえ,発汗などの抗アセチルコリン作用が認められた。
Imipramineの効果と比較した場合,抑うつ気分に対する効果自体はamitriptylineのほうカミ,mildであるが,副作用も同時にmildであり,また抗不安効果などの対症的な効果はAmitriptylineのほうが確実であるように思われた。
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