Japanese
English
研究と報告
家族性ナルコレプシーの1症例
A Case-Report of Family Narcolepsy
山口 哲衛
1
,
梶原 晃
1
T. YAMAGUCHI
1
,
A. KAJIWARA
1
1横浜市立大学医学部神経科教室
1Department of Neuro-Psychiatry, Yokohama University, School of Medicine
pp.873-878
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200168
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患者の父親と姉とにナルコレプシーがあり,兄姉3人にそれぞれ上肢のシビレ感,多量の発汗と流涎,入眠時の異常体感という植物神経性障害ないし神経症状がみられ,父方叔父の子および父の遠縁にてんかんがあるという負因の濃厚な1例を報告した。患者は15才の男子で性格は非社交的,勝気,短気,几帳面でさらに週期性不機嫌をも示すいわゆるてんかん性性格をもち,自律神経不安定症状があり,脳波上左後頭部にspikeを認め,カルジアゾール賦活後の過呼吸時には発作性高電圧徐波群が現われている。家族の脳波では,父親およびナルコレプシーを呈した姉には異常所見はないが,母親には発作性律動異常があり,兄姉2人には患者と同じく左後頭部にspikeがみられている。以上の家系について報告し,さらにナルコレプシーの身体的所見,性格的特色,脳波所見,てんかんとの関連,遺伝について検討を試みた。
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