書評
―堀越 勝,野村俊明 著―精神療法の基本―支持から認知行動療法まで
古川 壽亮
1
1京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野
pp.570
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102476
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堀越勝先生が『精神療法の基本――支持から認知行動療法まで』を書き下ろしてこのたび医学書院から上梓されると聞いたとき,「いよいよ堀越先生,動き出されたな!」と喜びました。書評をお引き受けし現物を送っていただいて,本書が堀越先生の書き下ろしの部分と,野村俊明先生との対談の二部構成になっていることを知ったとき,「素晴らしい。堀越先生の真価を発揮してもらうのに,これに勝る形式はないぞ!」と驚きました。
読み通してみて,まさに期待に違わないと感じました。堀越先生と私とは約10年来の知り合いで,この10年間は私自身が認知行動療法を学び,また若い人に教えるようになった10年でもあったので,さまざまな機会を通じて堀越先生に教えていただきながらようやくその任をこなしてきたというのが真実です。その過程で私の中には「堀越語録」がたまっています。この知恵をぜひ日本で精神療法を学ぶ人のみならず,メンタルヘルス関係者すべてにシェアしていただきたいと思っていたので,今回の出版ほど時宜にかなったものはありません。本書の中に堀越先生の知恵が詰まっています。以下にその一部を,私の中の「堀越語録」に照らし合わせながら,お伝えしましょう。ただし,「堀越語録」とはいえ,私というフィルターを通しての記録ですから,以下の引用の責任は私にあります。
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