オピニオン 認知症の終末期医療の対応:現状と課題―尊厳をどう守るか
重度認知症治療の現場から―頑張ろう! 精神科医
黒澤 尚
1,2
1埼玉県認知症疾患医療センター・秩父中央病院
2日本医科大学
pp.234-238
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102124
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
地方の高齢化率の高い精神科病院で認知症に対応していると,世で言われている認知症の世界とは別世界にいるような気がする。認知症関係の学会や雑誌,大学の偉い先生の講演などは軽度・中等度(以後,軽度と略す)の世界の話であり,私が対応しているような高度(重度)の世界の話ではない。たとえば,認知症の人に併存するせん妄の話などほとんど出てこない,この不思議。そこで,私が認知症の情報を得ようとしているときの疑問のいくつかと私の診療実績の一部について述べる。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.