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私のカルテから
Risperidone long-acting injection(RLAI)投与後早期に精神症状が再燃した統合失調症の1例
A Case of Schizophrenia who Relapsed Soon after Risperidone Long-acting Injection
深津 孝英
1
,
曽根 健介
1
,
森 康浩
1
,
兼本 浩祐
1
Takahide FUKATSU
1
,
Kensuke SONE
1
,
Yasuhiro MORI
1
,
Kousuke KANEMOTO
1
1愛知医科大学精神科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Aichi Medical University, Aichi, Japan
pp.577-579
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101895
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はじめに
近年アドヒアランスの問題や再発予防効果1)による医療費削減などの期待感から,本邦初めての第二世代抗精神病薬の持続性注射risperidone long-acting injection,以下RLAIと略す)が注目を集めている。しかし国内臨床試験では,24週間の短期試験で,治療のため入院または入院の延長を要した有害事象は,risperidone経口薬群5.9%に対し,RLAI群11.6%であり,その多くは,被害妄想,昏迷,幻覚などの精神症状であった3)。今回我々は,RLAI投与後早期に精神症状が再燃した統合失調症の1例を経験したので報告する。なお,症例の特定を避けるため,細部は論旨に影響のない範囲で改変してある。
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