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私のカルテから
アルツハイマー病の前駆状態と思われる患者にみられたうつ症状に塩酸ドネペジルが有効であった1例
Successful Treatment of Suspected Alzheimer Disease with Depressive Symptom by Donepezil Augmentation
岩本 崇志
1
,
中津 啓吾
1
,
小早川 英夫
1
,
竹林 実
1,2
Takashi IWAMOTO
1
,
Keigo NAKATSU
1
,
Hideo KOBAYAKAWA
1
,
Minoru TAKEBAYASHI
1,2
1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科
2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部 精神神経科学研究室
1Department of Psychiatry, National Hospital Organization(NHO)Kure Medical Center, Kure, Japan
2Division of Psychiatry and Neuroscience, Institute for Clinical Research, NHO Kure Medical Center
pp.581-583
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101896
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はじめに
高齢化に伴い,老年期うつ病の罹患率は増加しており,非老年期と比べ予後は不良であるといわれている。この原因の一端として,認知症と境界不明瞭な一群が存在する可能性が指摘されている。今回,我々は,治療抵抗性かつ反復性の老年期うつ病が当初疑われた患者に対して,画像所見からアルツハイマー病(AD)の前駆状態と考えてmilnacipran(MIL)に塩酸ドネペジル(DPZ)を併用した結果,抑うつ症状の改善がみられた1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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