Japanese
English
研究と報告
精神科病院で認められた肺血栓塞栓症の臨床的検討
Clinical Characteristics of Pulmonary Thromboembolism in Psychiatric Hospital
松永 力
1,2
,
分島 徹
1
,
岡崎 祐士
1
Riki MATSUNAGA
1,2
,
Toru WAKEJIMA
1
,
Yuji OKAZAKI
1
1東京都立松沢病院精神科
2現・国立病院機構北海道医療センター精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Psychiatry, Hokkaido Medical Center
キーワード:
Pulmonary thromboembolism
,
Psychiatric hospital
,
Physical restraint
Keyword:
Pulmonary thromboembolism
,
Psychiatric hospital
,
Physical restraint
pp.329-337
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101840
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抄録
精神科医療においても肺血栓塞栓症予防は重要であり,その臨床的特徴を明らかにするため,2004年度以降に東京都立松沢病院(以下,当院)で認められた肺血栓塞栓症45例(急性肺血栓塞栓症39例,慢性肺血栓塞栓症6例)を検討した。急性肺血栓塞栓症では不動化との関連が示唆される安静解除後や臥床中の発症が多く,特に「不動化」や「抗精神病薬高用量投与」で重症例が多かった。「不動化」のうち,身体拘束以外が1/3を占め,身体拘束の有無にかかわらず,予防が必要と思われた。発生率は減少傾向にあり,当院での取り組みが寄与していると思われた。また,慢性肺血栓塞栓症では急性からの移行が疑われる例も多く,注意が必要である。
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