書評
―小阪憲司,池田 学 著,山鳥 重,彦坂興秀,河村 満,田邉敬貴 シリーズ編集―《神経心理学コレクション》レビー小体型認知症の臨床
朝田 隆
1
1筑波大学臨床医学系精神医学
pp.931
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101705
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他の診療科の医師からは変わり者集団だとさえ言われる精神科医だが,実は二分できる。見分ける質問は,「認知症を診るのが好きですか?」。イエスならオーガニック派,ノーならメンタル派の精神科医である。暴論するなら,治療について,前者は薬物が,後者は精神療法がより重要だと思っている。ところがいずれも,「幻覚・妄想」という言葉には弱い。たやすく,「何々?」と身を乗り出してくる。
本書の2著者はもとより,私もオーガニック派精神科医である。メンタル派精神科医と神経内科医のはざ間に位置するだけにそれぞれに対して引け目を感じることが,少なくとも私にはある。そんな我々だから,レビー小体型認知症は興味がつきない疾患である。
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