雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Seishin Igaku Volume 52, Issue 2 （February 2010）

精神医学 52巻2号（2010年2月発行）

Japanese English

研究と報告

同一強盗事件の被害者で異なった経過をとった2人のストレス障害の事例 A Case of Two Patients with Stress Disorder who Showed Different Courses of Development after the Same Robbery 仙波純一 ¹ , 中谷宣章 ² , 芳賀佳之 ² Jun'ichi SEMBA ¹ , Nobuaki NAKAYA ² , Yoshiyuki HAGA ² ¹さいたま市立病院精神科 ²さいたま市立病院救急科 ¹Department of Psychiatry, Saitama City Hospital, Saitama, Japan ²Department of Emergency, Saitama City Hospital キーワード： Post-traumatic stress disorder , PTSD , Acute stress disorder , ASD , Emergency psychiatry , Crime victim Keyword: Post-traumatic stress disorder , PTSD , Acute stress disorder , ASD , Emergency psychiatry , Crime victim pp.119-124

発行日 2010年2月15日 Published Date 2010/2/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101567

PDF(367KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

抄録

　総合病院救急科には，犯罪事件の被害者となりストレス障害を負う可能性のある患者が搬入されることがある。今回，同じ強盗事件に遭ったが，異なった経過をたどった2名の女性を報告した。1例は激しい不安を示していたために精神科的介入を行い，約1か月で回復した。もう1例は受診直後は精神症状を表さなかったために，積極的な介入は控えられ，3か月後にパニック発作を生じ受診した時点で，外傷後ストレス障害と診断された。同一事件の被害者ではあっても，ストレスの強度だけでなく，多くの要因がストレス障害への発展に関係すると推測された。精神科医はこれらの要因を考慮して精神医学的介入を進めるべきであると考えられた。