Japanese
English
研究と報告
間接プライミングを用いた自閉症の言語連想の研究
A Study on Word Association in Autism
十一 元三
1
,
神尾 陽子
1
Motomi TOICHI
1
,
Yoko KAMIO
1
1京都大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Kyoto University Faculty of Medicine
キーワード:
Autism
,
Indirect priming
,
Word completion
,
Semantic asso-ciation
,
Phonological association
Keyword:
Autism
,
Indirect priming
,
Word completion
,
Semantic asso-ciation
,
Phonological association
pp.623-628
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904564
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【抄録】自閉症者10名と言語性IQを一致させた対照群10名に対して,間接プライミングを用いた言語連想検査を行った。検査では刺激語の呈示に続いて,一部の文字が隠された後続語を示し,欠落した部分を補って単語が完成できた場合に得点を与えた。刺激語と後続語の間には,音韻連想関係,意味連想関係,無関係の3種類が含まれ,種類別に成績を比較した。その結果,意味連想では両群に有意差はなかったが,音韻連想では自閉症群が高得点を示し,両群に強い有意差がみられた。さらに,個人内での音韻連想と意味連想の成績の差を指標とした場合,両群がよく判別された。これらの結果より,自閉症では言語に対して音韻的処理が活発であり,この傾向は自閉症にみられる反響言語などの言語的徴候とも関連する可能性が考えられた。また,本結果をもとに,自閉症における言語の意味的処理の障害の可能性について論じた。
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